出雲の神在月(かみありづき)は、全国の八百万の神々が集まる特別な季節。その終わりを飾る神社が、出雲市の万九千神社(まんくせんじんじゃ)です。
神様がお別れパーティーをする神社です。
ここで行われる「神等去出(からさで)祭」は、神々が出雲を後にする重要な神事。
その中心にいらっしゃるのが、櫛御気奴命(くしみけぬのみこと)という神様です。
この神は、神々をもてなし、そして笑顔で見送る――
“おもてなしの心”を象徴する美しい神として知られています。
万九千神社とは
万九千神社は、出雲市斐川町併川に鎮座し、出雲国風土記にも記される古社です。
全国から集まった神々が、出雲大社で「縁結びの会議」を終えたあと、
最後にこの地に立ち寄って宴を開き、帰路につくと伝えられています。
この行事が「神等去出祭(からさでさい)」。
つまり、神々を見送る“神在月のフィナーレ”を担う場所なのです。
🕯️ 毎年旧暦10月17日(新暦では11月下旬ごろ)、
八百万の神々が「また来年」と言葉を交わして旅立つと伝えられています。

櫛御気奴命(くしみけぬのみこと)とは
櫛御気奴命の名を分解すると:
- 櫛(くし) … 「霊妙なる」「神聖な」
- 御気(みけ) … 「神に供える食事」や「御饌(みけ)」
- 奴命(ぬのみこと) … 尊称(〜の命、〜の神という意味)
つまり、
「霊妙なる神の食事を司る神」
という意味になります。
古くから「食の神」「宴の神」「もてなしの神」とされ、
神々の集いの場を円満に取り仕切る存在です。
万九千神社では、この神が宴の主宰者として神々をもてなし、
そして出雲の国を後にする神々を見送る役割を担っています。
神様が教えてくれる“もてなし”の心
櫛御気奴命は、単に食の神ではなく、
「人と人とをつなぐ和の神」としての側面も持っています。
八百万の神々が集う中で、誰一人欠けることなく、
互いに笑顔で帰っていけるよう取り計らう――
その姿はまさに、“人間関係の調和”を象徴しているようです。
私たちの日常でも、
・人との関係を温かく結ぶ
・感謝をもって人を見送る
・場を和ませる
といった行動が、運気を上げる鍵となります。
櫛御気奴命をお祀りする万九千神社は、
まさに「良縁」と「調和」を願う人にぴったりの聖地です。
出雲大社を参拝される時には是非とも立ち寄りたい神社です。


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