日本神話の壮大な物語は、二柱の神、伊邪那岐神(いざなぎのみこと)と伊邪那美神(いざなみのみこと)の「国生み」から始まります。
天の神々から混沌とした世界を固め、国を創るよう命じられた二神は、まず天と地を繋ぐ「天の浮橋」に立ちました。そして、神々から授かった天沼矛(あめのぬぼこ)を使い、まだ形のない世界をかき混ぜます。矛から滴り落ちた雫が固まってできたのが、最初の島である淤能碁呂島(おのごろじま)でした。
この島に降り立った二神は、結婚の儀式を行い、本格的な国生みを始めます。
大八洲(おおやしま)の誕生:日本の主要な島々
二神が次に生み出したのは、日本列島の主要な島々である大八洲です。それぞれの島には、現在の地名が当てはめられています。
- 淡路島(あわじしま)
- 伊予之二名島(いよのふたなのしま):現在の四国にあたります。
- 隠伎之三子島(おきのみつごのしま):現在の隠岐諸島です。
- 筑紫島(つくしのしま):現在の九州です。
- 伊岐島(いきしま):現在の壱岐島にあたります。
- 対馬(つしま)
- 佐度島(さどしま):現在の佐渡島です。
- 大倭豊秋津島(おほやまととよあきつしま):現在の本州にあたります。
その他の島々の誕生
大八洲を生み終えた二神は、さらに吉備児島(きびのこじま)や小豆島(しょうどしま)など、6つの島々を生み出します。これらの島々も、日本の国土を形成する上で重要な役割を担っています。
国生み物語の持つ意味
伊邪那岐神と伊邪那美神の国生みは、単なる地理的な説明ではありません。混沌から秩序が生まれ、まだ不安定だった大地がしっかりと形成されるまでのプロセスを象徴しています。
この物語は、私たちの住む日本という国が、いかにして誕生したのかを語り継ぐ、壮大で神秘的なルーツの物語なのです。
もしこの物語に興味を持ったなら、ぜひ『古事記』や『日本書紀』を読んで、さらに深く神話の世界に触れてみてください。
淤能碁呂島(おのごろじま)は、日本神話に登場する伝説上の島であり、現在も存在する特定の場所ではありません。
ただし、日本の各地には「淤能碁呂島」の伝承地とされる場所がいくつかあり、それぞれの地域で神話の舞台として語り継がれています。
1. 兵庫県淡路島
最も有名な伝承地の一つで、淡路島南部の沼島(ぬしま)がその候補とされています。沼島には、神話に登場する「おのころ島神社」があります。
2. 和歌山県
和歌山県には、淡路島を望む加太(かだ)の沖に浮かぶ「友ヶ島」が、淤能碁呂島ではないかとする説があります。
これらの場所は、神話の物語を現代に伝えるためのシンボルとして、多くの人々に親しまれています。
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