あるワークショップでのことです。一人の女性がエイブラハムに切実な悩みを打ち明けました。
「私たちの夫婦の最大の問題は『稼ぎが悪いこと』です。」
エイブラハムは最初は穏やかに話を聞いていましたが、すぐに質問の核心を突きました。
「今、あなたは『何に目を向けているのか』が大切です。今のあなたはまさに『ない』ことにフォーカスしていますよ。」
この引き寄せの法則の基本原則は、女性にも伝わっていたはずです。しかし、彼女はエイブラハムの言葉を理解しながらも、自分の現状を訴えることに必死でした。
まるで自分自身の波動を証明するかのように、どれだけ稼ぎが足りていないかを熱心に、また熱心に語り始めたのです。
瞬間を切り替える「おだまり!」とマシンガントーク
ここで、エイブラハムは強い介入をします。
「おだまり!」と、まるで喝を入れるかのように、相手の「ない」にフォーカスした波動を打ち消すべく、「ある」にフォーカスした言葉をマシンガンのように発し始めました。
「私たちには収入が足りるほど用意されています。」 「私たちは今より収入が増えることを知っています。」 「私たちはお金が十分に用意されていることを理解しています。」 「私たちは……」
しばらくの間、ずっと『ある』にフォーカスしたポジティブなアファメーションを言い続けたのです。
誰もが陥る「盲点」:自分の波動は見えない
このやり取りを第三者的に聞いていれば、その女性がどれほど「ない」へのフォーカス(抵抗)を発していたかに気づくのは簡単です。
しかし、当の本人は全く気づけていません。必死に「ない」を訴えている状況。まさに、自分の思考パターンと波動が、自分自身には見えていないという状況でした。
これが、私たちが引き寄せを学ぶ上で最も難しい「盲点」です。
現実創造の真のルール
エイブラハムはこのエピソードを通して、私たちに根本的なルールを教えてくれました。
- 「今の現状を見て思考するな」
- なぜなら、今の現状(ネガティブな現実)は、すべて過去の思考が時間差で現れたもの(過去の思考の現れ)だからです。
- 「どのような状況になったら嬉しいかをイメージしなさい」
- 過去の現実に目を向けるのではなく、望む未来に焦点を合わせるのです。
そして、最後にこう締めくくります。
「あなたがボルテックス(望みの現実が用意された場所)に入れば、そこにはすべてが十分に用意されています。」
やはりエイブラハムは深いです。私たちが最も見落としがちなのは、今、この瞬間に何にフォーカスしているか、なのです。
この教えこそ、私たちが日々の生活で「ない」の罠から抜け出すための最強のヒントになりますね。



コメント